・ボロー金鉱山視察(ニンジャと呼ばれる無法者)
ニンジャとは、主に金鉱山で無許可のまま、金を採取する者を指す。先月はこの山で働いていたが、気がつくとそこに姿はない。
ニンジャには大まかに2種類あり、現在、鉱山開発を実施している区域に忍び込み、金を採取する者と鉱山開発が終了した跡地の手付かずの山を掘り返す者である。
ニンジャが地下資源の有無を判断する事は困難であり、開発許可を得た鉱山区画の見通しのききにくい山を人力によって掘り下げ、金を採取する。
そのため、開発許可企業や地元民との小競り合いが絶えない。
・水銀を使用する金精錬法(アマルガム法)
鉱石中から金を精錬する方法として、古代から使用される有害物質が水銀である。
粉砕した鉱石を微細な粒になるまで挽き、水と共に水銀を攪拌すると鉱石中の金が水銀に溶け込む。その後、シアンを混入することで水銀と金を剥離する。(水銀・シアンは共に日本の特定有害物質に指定されている。)
但し、全ての鉱山で企業やニンジャが水銀を使用しているとは限らない。
・セレンゲ県ユール川金鉱山視察(大規模な中国企業による鉱山開発)
首都ウランバートルから北東へ約400kmに位置するセレンゲ県ユール川沿いの村Bugantでの金鉱山は、大型掘削重機やダンプトラックが−6mほどの地下まで地盤を掘削している。絶え間なく動く重機の事業主は中国企業である。
当該鉱山では、金の選別は人力で行っており、地元の村人が就労している。
水銀の使用について直接確認は出来なかったものの、「水銀を使用しているのか」の問いかけにはうなずくが、何時から、どこで、どれだけの水銀が使用されているかには口を開こうとはしない。
・ヒアリング調査結果
モンゴルにおけるNPOの最大組織モンゴルの自然と環境に関する政治への採点者の事務局長 バヤルマー氏は言う。
「モンゴルでの地下資源量は計り知れない反面、鉱業法には環境保全対策が明確化されていない。(環境基準が設定されていない。)探鉱権や採掘権を獲得したい外資企業も事前に環境保全計画書を提出する事で済まされ、提出された環境保全計画は3年毎に見直されるだけに過ぎない。
その為、甚大な被害が露呈しない限りは、企業に対して警告が出来ないままでいる。」
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