COLUMN
<第38号>

中小企業における情報システムの導入

 IT化の進歩により、様々な事が可能になってきました。中小企業においても、製造、事務、営業とそれぞれの部門において何らかのソフトウエアを利用している会社が殆どです。しかし、決して全てが上手く行っているところばかりではありません。一体どうして・・・? 検証してみました。

【問題点】

中小企業のシステム化導入に伴い、問題点としては以下のようなケースが考えられます。
・ 経営者のシステム導入目的が明確になっていない。
・ 導入目的とシステム概要が整合していない。
・ 実際の運用において全てシステム化しようとする。
・ 担当作業者がシステム運用に関して理解していない。
・ システム間(製造、販売・仕入・在庫、会計、給与等)の連携がされていない。

【対応策】

これらの問題を解決し、スムーズに情報システムを導入するためには1〜3について事前に対応しておくことをお勧めします。

1. 情報システム導入のためのインフラを整備
◎ 事務フロー(帳票の流れ)と帳票の定義(意味)を明確にしておく。
◎ 担当作業者の業務内容(処理内容及び作成のタイミング)を明確にしておく。
◎ 定型作業と非定型(イレギュラー)作業を確認する。非定型作業の割合(%)についても確認する。

2. 導入目的の明確化
◎ 何のためにシステム化するのか?(迅速化、省力化、品質向上、管理強化、営業支援等)
◎ システム導入による費用対効果を考える(定性効果、定量効果)。
◎ システム導入に向けてベクトルの統一と責任の明確化を図る(設計部門、運用部門、マネジメント)。

3. 実用化とメンテナンス(維持管理)
◎ システム導入において、実際の運用ではシステム系(システムで処理すること)とヒューマン系(人間が処理すること)を使い分けることが重要。
◎ システムは導入時から、環境変化(設備機器の変化、ソフトウエアの変化、会社の成長による変化)によって変貌を遂げる。柔軟に対応できる汎用性が必要となる。
◎ システムのバージョンアップ、ハード機器の維持管理、セキュリティーによる保守を内製化するのか、それとも外注化するのかを考える。

【まとめ】

 中小企業において、まず必要なことは業務の再構築(業務の取捨選択を行う)を行うこと。
  次に、最大限必要な部分に焦点を当て取り組む(例:発注管理、在庫管理、販売管理、財務管理、給与管理等)。
  最後に身の丈にあった情報システム投資を考える。(数万円のパッケージソフトでも十分に目的を達成できる。要は、システムを如何に活用するかなのである。)

 

専門家プロフィール
山口 彰敏

【プロフィール】
法政大学卒業後、地域金融機関、会計事務所に勤務し平成12年8月より独立。

【得意・専門分野】
中小企業の資金調達および財務コンサル、事務部門の経費削減コンサル(アウトソーシング)

【有限会社 アシストネット】
〒510-0833 三重県四日市市中川原3-9-6
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