COLUMN
<第8号>

「リーダーシップの開発と組織の活性化 〜その2〜」

1、リーダーシップPM理論
 リーダーにとって、良いリーダーシップ行動は必要不可欠であります。それは部下達がヤル気になり、組織を活性化させ、業績を向上させるからです。
 リーダーシップPM理論は、リーダーシップと結果変数の業績向上(売上・利益)、生産性向上、事故の減少、定着性の向上などとの関係を実証的に検証している信頼性の高い理論です。
 PM理論では、リーダーシップを「集団の目標を設定し、その目標に向けて集団成員を動機付け、集団成員間の相互作用を強化し、集団凝集性を高め、集団資源を有効に用いるようにする集団状況的機能である」と定義しています。
 組織集団には必ず目的・目標があり、それを達成する為に多くの人々が協力しています。つまり組織集団には、仕事の面と人の面との2つの機能が有ることを見逃すことが出来ません。
2、組織集団の機能

 リーダーシップの定義で述べていますように、集団機能は2つの次元に大別されます。 
・目標達成機能(Performance略してP機能)
 集団の目標達成・課題解決の機能であり、組織体や職業集団の仕事の能率、生産性の向上を遂行する機能(仕事を中心とした機能)
・集団維持機能(Maintenance略してM機能)
 集団それ自身を維持し、強化する機能であって、話し合いの場で人間関係に生じた不必要な緊張を解消し、対立抗争を和解に導くといった機能(人間関係を中心とした機能)

3、リーダーシップの行動類型

リーダーシップPM理論では、下図のようにP・M機能の発揮の程度を全国基準値より高いか低いかで、4つのリーダーシップの行動類型に区分します。

PMタイプ
P・M機能両方ともに強いタイプ。仕事に厳しいが、人間的配慮も強い。
Mタイプ
P・M機能両方ともに強いタイプ。仕事に厳しいが、人間的配慮も強い。
Pタイプ
P機能が強く、M機能が弱いタイプ。仕事中心で、人間的配慮が弱い。
pmタイプ
P・M両機能とも弱いタイプ。仕事にも、人間にも関心が弱い。
4、効果性の順位

 結果変数である、業績向上、生産性向上、労災事故の減少、交通事故の減少、定着性の向上などとの関係は最も好ましい結果はPMタイプで、最下位はpmタイプとなりMタイプ、Pタイプは中間になります。
 長期的 1位 PM、2位 M、3位 P、4位pm
 短期的 1位 PM、2位 P、3位 M、4位pm
 長期的、短期的に見ても、1位 PM、4位pmは変わりませんが、2位と3位が入れ替わります。
 日本、東南アジア、中国、イギリス、ドイツ、オーストラリアなどでは効果性の順位は同じですが、アメリカのみは1位PM、2位P、3位M、4位pmとなります。

5、PMサーベイ(職場のアンケート調査)

 職場集団のように、上司と部下という階層がはっきりしている場合には、上司の職場内
におけるPM機能による影響が大変に大きいのです。そこでPMサーベイでは、上司のリ
ーダーシップの発揮の程度を問題にします。
PMサーベイでは、上司は自分のリーダーシップとモラール(ヤル気)について自己評
評価をします。部下は上司がリーダーシップP・M機能をどの程度発揮しているか、具
体的なP・M行動についての評価と自分のモラールについて回答します。
◆PMサーベイの特徴◆

  • 上司が、自分のリーダーシップ行動のどこに問題があるかを具体的にチェックできます。
  • 部下集団のモラール状況(仕事意欲など)が把握できます。
  • 自己評価と部下評価のズレから自分の気づかない自分の姿を客観的に見つめることにより、自己啓発の手がかりをつかむことが出来ます。
  • 自分のリーダーシップが部下のモラールとどう関連しているかを掴み、問題解決の手がかりに出来ます。
◆PMサーベイの構成◆
原因変数 媒介変数(モラール) 結果変数
リーダーシップ
PM機能の強弱
仕事に対する意欲
給与に対する満足度
会社に対する満足度
精神衛生
チームワーク
ミーティング
コミュニケーション
業績規範
業績向上
生産性の向上
労災事故の減少
交通事故の減少
定着性の向上
PMタイプのリーダーの部下集団は、モラールが高く、結果変数が高くなります。
pmタイプのリーダーの部下集団は、モラールが低く、結果変数は下がります。
6、リーダーシップ測定用紙の種類

 生産係長用、事務・技術係長用、生産課長用、事務・技術課長用、部長・工場長用、企業トップ用、QCサークルリーダー用、小学校教師用、中学校教師用、高等学校教師用、病院看護師長用、看護師用、アパレル店長用、小売店長用、原子力発電所課長用、原子力発電所副長用、原子力発電所協力会社リーダー用、自治体課長用、自治体係長用など



専門家プロフィール
高岡章一

【プロフィール】
昭和14年生まれ。中央大学卒業後、大手薬品メーカーを経て、
平成3年6月 集団力学研究所評議員・中部地区責任者に就任。
同年7月 人間科学研究所を設立、所長に就任。

【得意分野】
管理・監督者のリーダーシップ開発の指導、PM理論・MG・目標管理で企業の活性化の指導

【株式会社 人間科学研究所】
〒450-0002 名古屋市中村区名駅3-13-28 名駅セブンスタービル605
TEL 052-586-9133 FAX 052-252-8620 E-mail dynamics@mc.kcom.ne.jp
URL:http://www.g-dynamics.co.jp/

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