COLUMN
<第41号>

事業承継で大切なこと

1.ハード:事業用財産 と ソフト:人間性の承継

 「事業承継」つまり、オーナーさんが後継者に会社の経営権(社長)と支配権(株式)を承継することです。この「事業承継」というものは、オーナーさんにとっては避けることのできない、いつかは必ず直面する問題です。そこで、後継者に円滑に「事業承継」するために大切なことをお話します。
 まず、「事業承継」には、ハードな部分とソフトな部分があります。
ハードな部分とは、自社株式や本社工場の土地・建物などの事業用財産を言い、ソフトな部分とはトップとしての資質、つまり人間性を言います。パソコンと同様に「事業承継」もハードとソフトがうまくかみ合わないと機能しません。

2.遺言書の活用と争続対策

 ハードな部分については、オーナーさんは「遺言書」でもって、後継者に事業用財産が相続できるようにします。ここで重要となってくるのが、他の相続人に対する配慮です。どうしても後継者に財産が集中してしまうため、バランスが崩れてきます。遺留分という権利をめぐって、相続が『争族』に発展する可能性があります。
  そこで考えておきたいのが生命保険を活用した『代償分割』という方法です。契約者・被保険者をオーナーさん、保険金受取人を後継者という契約形態で、「終身保険」に加入します。オーナーさんに相続が発生した時には、後継者はこの保険金で他の相続人の方々に金銭を支払い、相続を円満に終えることができます。

3.後継者教育と心の承継

 また、ソフトな部分については、オーナーさんがビジョンを示して後継者に経営権をバトンタッチするまでの承継計画を立て、後継者教育を施していくことが必要です。現場を経験させ、会社全体を把握できるように努めます。その際、トップとしての考え方や事業に対する想い・心も承継していかなければなりません。トップとしての仕事は、業績を上げることはもちろんですが、後継者を育て社員の雇用を守ることです。いくら会社を大きくしても後継者が育たなくては会社の未来はありません。ですから、後継者教育については真剣に考えていく必要があります。
 このようにハードな部分とソフトな部分を意識しながら事業承継を考えていけば、後継者への円滑な承継が実現するでしょう。

【事業承継を成功させるための7カ条】

@ 子供に適正があるか?否か?を見極める。
A 子供を会社に入れるのは、後継者1人だけ。
B 承継計画を立て、元気なうちにバトンタッチする。
C 後継者に任せたら、口出しをしない。
D 後継者がやりやすい環境を。
E 自社株式は分散しないこと。
F 相続対策は生前に。遺言を残し円満相続を。

 



専門家プロフィール
藤永 悟志

【プロフィール】
1966年大阪府生まれ。1999年より8年間、財産コンサルティング会社にて、地主・医師・企業オーナーなどの富裕層の方々に対しての相続・事業承継のコンサルティング業務に従事。相続の事前対策や遺産分割業務、遺産整理業務を主に手がける。
2006年7月、株式会社イー・エム・プロデュースを設立。現在に至る。

【株式会社イー・エム・プロデュース】
〒530−0001
大阪市北区梅田2−2−2 ヒルトンプラザウェストオフィスタワー19階
TEL 06−6133−5864
FAX 06−6133−5858
E-mail  info@e-m-produce.co.jp  


【バックナンバー】

▲PAGE UP

〒450-0002 名古屋市中村区名駅5-16-17 花車ビル南館9F
TEL:(052)485-8271 FAX:(052)485-8272
E-mail:office@j-partner.com
ご注意:このサイトはIE5.5またはNN6.1以降のブラウザでご覧下さい。
     これ以前のバージョンではレイアウト崩れ等の不具合を起こす可能性があります。