COLUMN
<第6号>

「リーダーシップの開発と組織の活性化 〜その1〜」

1、リーダーシップ開発による職場の活性化事例
 この不況下においても、元気があり、成長し続けている企業がある。弊所は、設立以来12年間に10社の活性化に成功し、8社が上場準備中で名古屋投資育成会社、証券会社等の指導を受けている。最近2社がマスコミに取り上げられた。10月10日に(株)エムエス製作所グループ(西春日井郡春日町)が日刊工業新聞の記事で取り上げられ、11月5日には加茂精工株式会社(西加茂郡藤岡町)がテレビ愛知の「小さな驚き企業」で取り上げられ放映された。

 エムエス製作所迫田社長とは、約7年前に出会い、以来同社の管理・監督者のリーダーシップ開発を中心に活性化をお手伝いしているが、ここ数年の同社の発展には目を見張るものがある。エムエス製作所は自動車用ウエザーストリップ(WS)の金型メーカーであるが、自動車部品の樹脂化に着目し樹脂成型用金型の会社「エムズ」を立ち上げ、続いて製品設計の外部委託の増加に着目し専門の会社「ミズ」を設立、昨年は金型のチューニング専門の会社「MSE」と金型用治具と部品製造の会社「MST」を設立し、7年前との比較で会社数及び従業員数が5倍になり、5社ともに黒字経営である。同社は海外拠点を米国、英国、中国、インドに持ち、積極的に事業を展開している。
2、自己評価と部下評価とのギャップが行動改善のポイント

 エムエス・グループのリーダーシップ開発研修(PMT)は、職場のアンケート(PMサーベイ)をおこなう。リーダーは、リーダーシップ自己評価と自己のモラールについて解答し、部下は上司のリーダーシップ評価(上司評価)と自己のモラールについて解答する。リーダーの自己評価と部下の上司評価の平均とのギャップがリーダーの行動改善のポイントとなる。リーダーシップ行動はP行動とM行動がある。P行動は計画性、圧力性、専門性に3因子からなり、M行動は個人配慮、仕事配慮、客観性・公平の3因子からなる。
これらPM6因子のどれに問題があり、どのように行動改善を行うかを決めて実践するのである。好ましいリーダーシップ行動(ラージPMタイプ)は部下のモラールを向上させ、売上、利益向上等の結果変数の向上になることを実証的に検証している。

 モラールは仕事意欲、給与満足、会社満足、精神衛生、チームワーク、ミーティング、コミュニケーション、業績規範の8因子で構成されている。リーダーシップ行動が改善されれば、モラールが向上し結果変数の向上になるのであるが、エムエス・グループの場合は、早期活性化のためにリーダーシップとモラールの両側面から活性化に取り組んだ。
 P行動の計画性とモラールの業績規範が弱ければ「目標による管理」の導入、P行動の圧力性が弱ければ管理者教育(MTP)を、コミュニケーションとチームビルディング、会議運営の指導、経営感覚の涵養のためにマネジメントゲームなど必要性に応じて、リーダーシップ開発と共にモラールの側面の強化を図ったのである。

(加茂精工、PM理論については次号掲載)


専門家プロフィール
高岡章一

【プロフィール】
昭和14年生まれ。中央大学卒業後、大手薬品メーカーを経て、
平成3年6月 集団力学研究所評議員・中部地区責任者に就任。
同年7月 人間科学研究所を設立、所長に就任。

【得意分野】
管理・監督者のリーダーシップ開発の指導、PM理論・MG・目標管理で企業の活性化の指導

【株式会社 人間科学研究所】
〒450-0002 名古屋市中村区名駅3-13-28 名駅セブンスタービル605
TEL 052-586-9133 FAX 052-252-8620 E-mail dynamics@mc.kcom.ne.jp
URL:http://www.g-dynamics.co.jp/

【バックナンバー】

▲PAGE UP

〒450-0002 名古屋市中村区名駅5-16-17 花車ビル南館9F
TEL:(052)485-8271 FAX:(052)485-8272
E-mail:office@j-partner.com
ご注意:このサイトはIE5.5またはNN6.1以降のブラウザでご覧下さい。
     これ以前のバージョンではレイアウト崩れ等の不具合を起こす可能性があります。